柴田町成田の里山に
2023年4月竣工

さとのえ

里山で自然とともにある暮らし 里山で自然とともにある暮らし

メインビジュアル さとのえ母屋とエネルギー棟

「さとのえ」からの
メッセージ

坂元植林の家の新しい「モデルハウス」は、住宅地でも展示場でもなく、
私たちが先人から大切に守り継いできた柴田町成田の「坂元の森」の里山につくりました。
見本商品として展示するモデルハウスではなく、地域や自然と共に生きて健やかに暮らしていくための術を、
自然環境や歴史、先人たちの知恵と技術から学び、わかちあう場として育てていきたいと考えています。
新築を予定されている方ばかりでなく、自然とともにある暮らしに関心がある方たちも集える家に。
モデルハウスではなく、みんなの「さとのえ」と呼んでください。
イベントやワークショップ、見学に、お気軽に遊びにいらしてください。

さとのえ内観 リビングからキッチン
2022年10月秋晴れのもと。竣工に向けて作業が進むエネルギー棟(手前)と母屋(奥)。

「さとのえ」
成田プロジェクトのこと


坂元植林の家では、創業110年を迎えた2018年に、時代の変化や、家づくりや暮らしのあり方などを取り巻くさまざまな社会の状況などに向き合いながら、新たなモデルハウスの開発のための「地域の自然と人間の生活との関係に関する調査〜成田プロジェクト」をスタートさせました。坂元の森がある柴田町成田地区を主な対象に、坂元植林の家らしい「いつも・いつまでも自然とつながる暮らし方」を具現化していくために、地域の地理的な特徴、建築、生態系、民俗史など多様な視点から、建築家の山田貴宏さん、環境デザイナーの廣瀬俊介さんと調査を行い、その成果を「さとのえ」の建物や敷地利用の設計に反映し、住まう人と地域や自然との関係性を結びなおします。

さとのえの[建物のデザイン]

自然の恵みを生かした、農的な暮らしを楽しむ家 自然の恵みを生かした、農的な暮らしを楽しむ家

  • ① 深い軒下

    暮らしの中の様々なシーンで活用でき、建物にかかる雨を減らし、建物を長持ちさせます。

  • ② 北側の縁側

    山や畑の風景を楽しみ、夏は、大きな開口部で心地よい風が南側の縁側へと通ります。

  • ③ 土間のキッチン&ダイニング

    庭や畑との行き来を考慮した心地よい家族の団欒のスペース。

  • ④ 縁側

    冬の晴天の日の昼間へ、暖を取り込み、夜や間仕切りを締め暖かさを維持します。間仕切りを開けると和室・リビング・縁側が繋がり空間を広く使えます。

  • ⑤ エネルギー棟

    薪や太陽熱を利用して自家使用の電気やお湯を賄います。

  • ⑥ 小屋

    屋外での簡単な調理に。また、屋外や庭で使うものの収納に。

地場に根ざし、土地の恵みを大事にする農的な暮らし方が益々大事になってきます。地域の伝統的な住まいを調査し、その構造をふまえて、現代的な技術も組み合わせながらこれからの民家のあるべき姿を考えました。里山の風景や菜園と一体となるようなシステムデザインと空間構成を意図しています。昔ながらの縁側を設え、融通無碍な使い方ができる空間を用意するとともに、温熱環境的にも太陽の恵みを生かせるような仕組みとしました。土間は「働く空間」として機能することをイメージしています。敷地内に井戸を設置するとともに、分棟の屋根にはエネルギー系の装置を搭載し、木質エネルギーも生かしつつ、食と水とエネルギーの自給を目指しています。

さとのえの[敷地のデザイン]

周囲の自然との繋がりを大切に、ゆっくり育ててゆく風景 周囲の自然との繋がりを大切に、ゆっくり育ててゆく風景

さとのえの敷地は、畑がつくられたり外国の木が植えられたりするなど人の手が入れられた後、使わずにおかれていました。この土地を再び人が利用しながら、敷地両脇の樹林と今よりつながりの深い生態系が生じるように、デザインを進めてきました。自生する草木のうち元々この辺りに生えるものを育て、今の地形へあまり手を加えずに比較的平らなところに菜園をつくり、なだらかに傾いたところを探して木々の間をぬうように小径を通すことが基本となります。土を留める必要があるところには、坂元の森で間伐した木を使うなどします。ここにある草木や土を用いて、成田ならではの豊かな時間が過ごせるように、敷地もゆっくり育ててゆく考えです。

地域の自然と人間の生活との関係に関する調査〜成田プロジェクト 地域の自然と人間の生活との関係に関する調査〜成田プロジェクト

調査の成果を公開します。

自然とつながり、自然とともにある暮らしは、私たちが暮らす地域のことをよく知ることから。「さとのえ」の建物や敷地利用の設計に生かした調査を、少しずつ皆さまへ共有していきます。

坂元植林の家ウェブマガジン「もりのわ」で連載開始
廣瀬ゼミ|風土とともにある地域の話

「さとのえ」が目ざす、共生の場づくり 「さとのえ」が目ざす、共生の場づくり

「さとのえ」づくりは、建物の建築と、敷地の環境整備のプロセスを、ワークショップの開催を通して、皆さまと分かちあいます。写真は、2021年6月に開催したワークショップ「土壁のつちづくり体験」の様子。敷地内で取れた粘土、深井戸の水、目の前の畑の稲藁を用いてつちづくりを行いました。これからも、さまざまな体験の企画を予定しています。ワークショップや見学会のご案内は、こちらでご確認ください。

お知らせ/ブログ

「さとのえ」竣⼯までの歩み