秋深まり冬の足音聞こえてきそうな今日この頃、駐車場の草取りをしていると、
なんと、ユリの花が咲いている。
手前に一輪。奥にもう一輪咲きそうです。
綺麗なものですね。こんな砂利駐車場に咲くとは。なかなか強い種類なのでしょう。
何のユリだろうと調べてみると、どうやらタカサゴユリという種類の様。
みなさまもご存知の通り、普通ユリは6月くらいから9月くらいにかけて花をつけるのが一般的。
ここのところの冷え込みを思うと、ユリが花をつけていて驚きましたが、
このタカサゴユリはこの数日ちょっとあったかい日もあったので、花をつけたのでしょう。
そんなこともあるのですね。
さて、このタカサゴユリ。調べてみると、国立環境研究所によると、「侵入生物データベース」に載っていると。
https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/81040.html
そもそもタカサゴというのは漢字で高砂。高砂というのは台湾を意味する古称である高砂国に由来するのだそう。
知らなかった!沖縄の方言で台湾を「タカサング」というのだそうです。
結婚式で祖父の謡う「高砂」という祝言歌を知っていた(姉の式でも自分たちの式でも謡ってもらった)ので、
世阿弥の能楽、兵庫県の高砂という地名のことなどは何となく知っていたものの、
台湾のことを指す意味もあるとは知りませんでした。
辞書を引くと5番目に載っていました。まだまだ知らないことが世の中にはたくさんありますね。
…さて、話がずれてきたので、話をもどします。
タカサゴユリは、台湾原産のユリですが、鑑賞用としてイギリスを経由して日本に入ってきたそう。
最近では高速道路の道路わきでも目にするとネットには記載がありました。
国立環境研究所のデータベースを見ると、どうやら宮城県が北限の様。
ここ数年の温暖化の進行とともに分布域が北に広がっているのかもしれません。
データベースの備考の欄には、こんなことが書いてありました。
「近年各地で繁茂しているが花がきれいなためなかなか駆除されない.少なくとも外来種であることを周知する必要がある.」
……。
その通りだなぁと思いました。
タカサゴユリが何者か知らず、ユリを見つけた時は何となく嬉しくなりましたが、
外来種、侵入植物だと知ると、駆除しないわけにはいきません。
データベースの影響の欄にもありますが、
一般的に、外来種、侵入植物は、
「在来種と競合,ウイルス媒介,交雑 影響を受ける生物:在来植物」
といった影響をもたらすため、駆除することが望ましいのです。
とはいうものの、
だんだん寒くなってきて、だんだん気持ちの塞いでくるこの時期に、
きれいな花をみせてくれたこのタカサゴユリを、
抜いてしまってもいいのかなぁ。。。と悩みました。
悩みますが、
種をつける前に花を摘んで室内に飾ろうかと思います。
かわいそうだけど球根も取ってしまおうかと思います。
そんな花を摘む悩みでした。
環境研究所のお知らせにこんな記事もありました。
http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/kankyo/info/doc/2020120400038/
交雑種をつくってしまい、原種の生息域を奪ってしまうこともあるのですね。
来月11月の頭に、さとのえ北斜面地に繁茂するセイタカアワダチソウの除草を行うこともあり、
外来種のことに敏感になっていた赤塚がお送りしました。