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風の通り道

こんにちは、設計課の安田です。
早速ですが、今回は「風」についてお話をさせて頂きます。
建物に取り込む風にはふたつの役割があります。
ひとつは快適性。
夏の暑い日、すぐに室温を下げてくれるエアコンも便利ですが、窓から入る風はとても心地よいですよね。しかも当然ですが電気代はかかりません!とても経済的!
もうひとつは湿気対策。
以前、2つの建物を見比べる機会がありました。2棟は同じ場所に同時期に建てられた同じ間取りの建物です。
ひとつはまだまだ住める手入れされた建物。もうひとつは今にも崩れそうな傾いた建物でした。
2つの建物は何が違ったのか…
ポイントは湿気です。手入れされた建物には人が住んでいて、毎日風が抜けていました。
崩れそうな建物は空き家で長い間閉めきられていました。湿気はシミやカビを発生させるだけでなく、湿気を好むダニが繁殖しやすくなります。
また柱や土台などの木材を腐食させ、建物の寿命を縮めてしまいます。
風を取り込み湿気を防ぐ事はカビやダニの発生を抑制し健康的な住まいをつくると言う重要な役割があったんですね。
では、効率的に風を取り込むためにはどのような方法があるのか。
3つご紹介させて頂きます。
①直接的に風を取り込む
POINT:通風に有効な開口部(窓)を二ヶ所以上設ける。
風の入口と出口を対面か対角に設けると風が通りやすくなります。
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②間接的に風を取り込む
POINT:風を呼び込める袖壁や縦スベリ窓等を設ける。(ウインドキャッチャー効果)
壁に沿って流れる風を袖壁や縦スベリ窓を開口する事で、風を壁や窓にぶつけて室内に取り込む方法です。
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③温度差換気の利用
POINT:室内と屋外の温度差を用いて換気を行うために、高所に排気用窓等を設置する方法
室内外の温度差が生じれば、風が無い場合でも高所の開口部から温められた室内空気が排出されます。
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自然の風は快適な住まいには欠かせない事がご理解いただけたでしょうか?
立地条件や住まい方などの条件に適した方法で、効率的に自然風を取り込んだり、換気や空調機器を上手に使って快適で健康的な省エネ住宅をつくりましょう。
次回はこちらも快適な住まいには欠かせない「太陽光」についてお話をさせて頂きたいと思います。